しばらくの間、読まずに眠っていた、【今日派遣をクビになった】、その本の存在を忘れていましたが、ノンフィクションだけあってリアリティがありすぎて、まるで自分の事の様に思える部分もあります。派遣切り・ネットカフェ難民など、さまざまな転落人生のノンフィクション作品です。


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《要約した文章》

【ネットカフェが僕の家】
現住所=その時の派遣現場に近いネットカフェを転々。

生活状況=日雇い派遣の日給は平均して8000円。だが毎日仕事があるわけではなく、月収にしたら月15万円がやっとということもある。仕事が無かった日は、1日1食というサバイバル生活。

『昼間だったらお金が掛からない図書館や文化センターで時間を潰して、夜は遅くまで営業している大型の商業施設やコンビニを渡り歩いたり、公園のベンチで11時頃まで過ごしているよ。』

『リュックの中身?あんまり見せたくないけど、まあいいか・・・・・・。タオル・歯磨きセット・電気カミソリ・簡単な着替え・耳栓・アイマスク・痛み止めの塗り薬だろ。あと消臭剤だ。自分が臭くなっていくのが耐えられない。嫌なにおいがしたらみんな俺の

事ホームレスだと思見えるし、万が一いい仕事がっても面接で落とされるだろ、だから臭いには 気を遣おうと思ってんだ。』

『途中で目が覚めるともう駄目、なかなか寝れない。パソコンのデスクに゛死にたい゛なんて書いてあるのをみると気が滅入るよ。』

『仕事がなかったら・・・・・・1日1食のこともあるよ。』

『壁や天井が崩れる度に粉塵が舞ってさ、ほこりで目も開けられないんだ。100円ショップで買っていったマスクは役に立たなくて大量の粉塵を吸い込んだよ。社員はさ、全員プロ用の防塵マスクをしていた。もしアスベストが出ていたら大変なのに俺たちはほったらかしだった。』

『みじめだったし腹も立ったけど仕方がない。我慢するしかないんだ。もしクライアントに文句を言ったら、派遣会社に通報されて、二度と仕事をもらえなくなるからさ。』

『こんな生活を続けていて身体にいいわけがないよ。体調を崩しやすくてよく下痢をするよ。風もひきやすくなっちゃって、首・腕・腰・はいつもだるいんだ。この2年で体重は5キロも減った。体力がなくなっているのかな。こんな生活に慣れたらおしまいだって危機感はあ

るんだけど、たまにずっとこのままかもって、よわきになることもあるんだ。』



98年4月に地元の自動車関連の下請けに就職した飯島亮介(29歳・仮名)さんは、5年後の03年10月整理解雇に遭い、失業。その後しばらくの間失業保険で生活していましたが、04年1月、失業保険が終了し、アルバイト生活に突入。05年2月からは日雇い派遣

をするようになりました。会社の寮 ⇒同期とアパートを借り共同生活 ⇒同期が実家の山形に帰る ⇒アパート代は月7万円、当然払えないので、家賃の安いアパートに引っ越す ⇒様々なアルバイトをして食つなぐ ⇒収入減少 ⇒ネットカフェ生活。そんな時に始めたの

が日雇い派遣です。まさに負のスパイラルとはこういう事です。日雇い派遣は日払いの所も有り、当日に給料がもらえるというのが魅力的ですが、何しろ給料が安い。日雇い派遣のグッドウィルが事務手数料・データ装備費などと称して数百円天引きしていましたことが当時

大きな社会問題となりましたが、日雇い派遣はそういうことをやっている可能性は十分にあるのです。ただその日の目先にある支払い・生活の事を考えますと、日払いというのは背に腹は代えられません。しかし、長期的な視点で考えますと、明らかなマイナスです。派遣会社

により大小の差は有りますが、ピンハネ率2割~4割の派遣業界。もともと派遣という雇用形態自体が、奴隷制度みたいなものであることは、間違いありません。

この本に登場する飯島さん(仮名)と一時期、一緒に住んでいた同期は、実家がある山形に帰り農家の仕事を手伝うと書いてありました。
うらやましい。実家が自営業の人は確実に収入を得ることができ、衣食住心配する必要がありませんからね。自営業の家に生まれた人は明らかに得です。

飯島さんの日雇い派遣の仕事
テナントが出た後の部屋の現状回復(5日間)⇒1日おいて、倉庫会社で青果の仕分け(3日)⇒2日おいて、雑居ビルの解体工事を10日間
⇒3日おいて、川崎のガラス工場で作業補助を1週間⇒運送会社を5日間⇒2日休んで、渋谷にある高層ビルのエアコン掃除を2週間⇒1日おいて、引っ越し作業を2日間⇒4日おいて、怪しげな移動販売会の雑用。

これでは収入・生活面で安定するわけがありません。派遣先からすれば必要な時だけ、人を工面できる日雇い派遣は魅力的ですが、働いている労働者からすれば、アリ地獄です。1度ハマると抜け出すことが極めて厳しい。もがけばもがくほど、泥沼にはまっていく、それが日

雇い派遣です。なによりも仕事が安定しないということは、収入も安定しません。収入が安定しなければメンタル面で落ち込んでしまうのです。飯島さん(仮名)はネットカフェで寝泊まりしていますが、ナイトパックが始まる午後11時までは公園・本屋・図書館・文化センターなどで時間を潰しています私もかつてエア出勤していました。

1番確実なのは実家に戻り、生活を立て直すことではないでしょうか?帰る所があるならそこに頼るというのも、生活を立て直す1つの立派な方法なのです。少なくとも、人間が生きていくうえで基本的な、衣食住の心配をする必要がありませんから。